20周年を迎えた宙(そら)組が、初の日本物レビュー「白鷺(しらさぎ)の城」に挑んでいる。宿縁で結ばれた陰陽師と妖狐(ようこ)が、転生を繰り返す芝居仕立てのきらびやかなレビュー。日舞の名手、専科の松本悠里も特別出演している。 文楽や歌舞伎でなじみの妖狐伝説を下敷きに、陰陽師・安倍泰成(やすなり)=真風涼帆(まかぜすずほ)=と玉藻前(たまものまえ)=星風(ほしかぜ)まどか=が何度も生まれ変わっては、戦い、ひかれあう姿をつづる。「和物の要素が強いプロローグに始まり、立ち回りや戦国時代的なものもある。転生というのも、日本物では新しさがある」と真風。 陰陽師、古代中国に渡った遣唐使、戦国時代の軍師……。転生する真風は七変化をみせる。作・演出を手がけた大野拓史が「真風にさせてみたい格好をすべて入れた」と言うように、どの姿も凜々(りり)しく美しい。 特別出演の松本は歌劇団の最上級生で、「宝塚の日本物の象徴」(大野)。久しぶりの本公演で、狐(きつね)の化身だった葛の葉など鍵となる役を艶(つや)やかに演じる。 筋立てをすんなり理解するのは難しいが、映像も効果的に使って次々に移り変わる場面は華やか。祭りの夜に、市井の男女が総踊りするフィナーレは心が浮きたった。 併演はミュージカル「異人たちのルネサンス」(作・演出=田渕大輔)。真風はトップ就任後初のオリジナル作品で、若き天才レオナルド・ダビンチの愛と苦悩を演じる。芹香斗亜(せりかとあ)が、野心に満ちた権力者ロレンツォ役を好演。今公演を最後に専科に異動する愛月(あいづき)ひかるも、物語を陰で操る司教役で存在感をみせている。 宝塚大劇場(兵庫県宝塚市)で、11月5日まで。(尾崎千裕)