東京五輪に向けて工事が進む神奈川県の高速道路建設現場。約15人の作業員がコンクリートを枠に流し込んでいた。ヘルメットの名にはカタカナが目立つ。 「この現場にベトナム人は3人。欠かせない存在です」。コンクリート圧送会社「ヤマコン」関東支店の小島秀二郎副支店長は現場を見回して言った。 従業員約200人のうちベトナム人の技能実習生らが22人。現在は年10人ほど同国からの技能実習生を雇う。将来的には全体の3割にする計画だ。 背景にあるのは、人手不足だ。同社では毎年20人ほど求人するが、応募は多くて10人弱。1人も応募がない年もあった。 建設業は、政府が来春の導入を目指す新しい在留資格「特定技能」の受け入れ対象に検討されている。認められれば5年間の技能実習に加えてさらに5年間の在留が可能になる。 同社で働くベトナム人のホアン・ディン・ホアンさん(28)は現場のサブリーダーを務める。2011年に実習制度で来日し、期限の3年間の実習を終えて帰国。その後、五輪に向けた建設需要の一時的急増に対応する20年度までの「時限措置」を活用して再来日した。来年に再び期限を迎える。 「この会社で偉くなって実力も伸ばしたい」と新しい在留資格を活用して日本での永住を目指している。 「会社を担う若手が育たない中、技能を身につけた頃に帰国してしまうのが課題だった」 新しい在留資格の創設を歓迎する小島さんだが、これからも彼らに日本で働いてもらえるか、心配している。日本で働いていた中国人が、中国の経済成長につれて減ったのを肌で感じてきたからだ。「今は日本が先進技術を持ち、カネも稼げると見られている。だがベトナムも発展のスピードは速い。いずれ選ばれなくなるかもしれない」(山本恭介) 外国人の労働力に期待を寄せる国は、日本だけではない。韓国は04年、単純労働を認める雇用許可制(EPS)を導入した。 以前は日本の技能実習制度を参…