米投資ファンドによる広告大手「アサツーディ・ケイ」(東京都港区、ADK)の株式公開買い付け(TOB)を巡り、ADK元執行役員が未公表情報をもとにインサイダー取引をした疑いがあるとして、証券取引等監視委員会が金融商品取引法違反の疑いでこの元執行役員を強制調査していたことが、関係者への取材でわかった。監視委は東京地検への告発を視野に調査している。 ADKを巡っては、米投資ファンド「ベインキャピタル」が2017年10月にTOBの実施を公表。関係者によると、元執行役員はTOBの公表前に、その情報を知人女性らに伝え、ADK株の取引をさせた疑いがあるという。監視委は今夏、元執行役員の関係先を強制調査。元執行役員は調査後に退職したという。 ベイン社によるTOBの買い付け価格は、過去3カ月の終値の平均に24・3%上乗せした1株あたり3660円。17年12月にTOBは成立し、ADKは今年3月に東証1部上場を廃止した。ADKは1956年創業で国内広告業界3位。17年12月期の売り上げは約3126億円だった。 ADKコーポレート・コミュニケーション室は「監視委による調査が行われていることは事実で、事案の解決に向けて調査に全面的に協力する」とコメントした。