カッパ伝説で知られる鹿児島県薩摩川内(せんだい)市で、カッパを色紙に描き続ける人がいる。市の監査委員を務める篠原和男さん(65)。予算執行や財産管理を厳しくチェックする一方、ひとたび役所を出ると、神出鬼没な水辺の妖怪のごとく1日1枚ほどのペースで「幸せを呼ぶカッパ絵」を様々な場所で贈る。市内の飲食店などに飾られたカッパは4千匹を超すという。 9月19日の夜、市内の喫茶店。杯を交わす酒席の輪の中に「カッパ画伯」はいた。酔いが回っても巧みな筆さばき。わずか10分あまりで今年252作目を仕上げた。酔っ払ってご機嫌なカッパを描き「のみすぎたら胃肝臓(いかんぞう)」と書き添える。だじゃれで笑わせる代表作だ。 街には、篠原さんの描いたカッパがあふれる。金融機関や飲食店などその数1千カ所を超え「街が私のギャラリー」だ。飲みながら歌いながらの即興。見ず知らずの人に頼まれたり、米国への手土産にと知人とともに太平洋を渡ったカッパもいたり。 30枚以上を店頭に飾る自動車販売店のオーナー新盛辰雄さんは、ユーモラスな笑顔のカッパに人を幸せにする力を感じる。「ぱっと見て、譲ってほしいというお客さんもいる」という。 白髪岳(熊本県)から宮崎、鹿…