第43期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第6局は23日、静岡県熱海市の「あたみ石亭」で打ち継がれ、午後6時2分、カド番の挑戦者張栩(ちょうう)九段(38)が井山裕太名人(29)に195手で黒番中押し勝ちした。これでシリーズ3勝3敗のタイに戻し、最終第7局に決着を持ち込んだ。持ち時間各8時間のうち、残り時間は名人1分、挑戦者57分。第7局は11月1、2日、静岡県河津町で打たれる。 序盤から大きな戦いもなく持久戦模様の展開になったが、一局を通して挑戦者にはっきり不利となる場面は見当たらず、終盤の名人の勝負手にも的確に応じて快勝した。 序盤、名人の趣向で左上と右下に黒白所を替えて同形の定石が現れ、前例のない布石となった。挑戦者は左上の定石から継続手を放ち、分厚い黒壁を形成。これを全局的に活(い)かして各所でポイントを稼いだ。 終盤、そのままヨセ勝負になるかと思われたが、名人が136手目で、黒の掌中にあるとみられた右辺中央の白一子を担ぎ出す勝負手を繰り出した。これには挑戦者も強く応戦。難解な戦いとなったが、挑戦者の読みが上回った。 解説の秋山次郎九段は「挑戦者の完勝に近い内容でした。名人の手がまずかったというよりも、挑戦者の出来が名人を上回った感じです」と話した。(大出公二)