韓国のアカデミー賞とも言われる「大鍾賞(テジョンサン)映画祭」の授賞式で、映画「南漢山城(ナムハンサンソン)」で音楽賞を受賞した坂本龍一さんの代わりに、関係のない中年女性が登壇した。映画祭組織委員会が23日、坂本さん側との連絡不足が理由だったとして遺憾を表明する騒ぎになった。 22日夜にソウルで行われた授賞式で、坂本龍一さんの名前が呼ばれると、赤いワンピースに黒いフードジャンパー、銀色のネックレス姿の女性が登壇。「(坂本さんが)忙しいので私が代理で来ました。歌手兼俳優のハン・サランです」と自己紹介した。 ハンさんが登壇する直前、別の黒いドレス姿の女性も登壇しようとしたが、ハンさんの姿をみて苦笑いして引き返した。この女性は「南漢山城」の製作関係者で、別の「撮影賞」の受賞時に登壇し、「コミュニケーション不足だったみたいですね」と苦笑しながらあいさつした。 韓国のインターネット上では「ハンさんて誰」「どんな関係なの」という書き込みが飛び交い、反響の大きさから映画祭のホームページが接続不能になるほど。大手ポータルサイトのネイバーでは数時間の間、「ハン・サラン」が検索語のトップになった。 映画祭組織委は23日、「坂本さんも南漢山城の監督も海外出張で不在だった。製作者と連絡が取れず、韓国映画音楽協会などの推薦を受け、ハンさんに代理出席をお願いした」などと釈明した。 大鍾賞は近年、選考基準を巡る疑惑などから権威が低下しており、22日の授賞式も空席が目立っていた。賞を受け取る人がいないという事態を避けるため、映画祭組織委が無理な演出をした結果とみられている。(ソウル=牧野愛博)