2年ぶりの日本シリーズ(27日から)への進出を決めた広島カープ。地元では「カープグルメ」でも盛り上がる。広島名物・お好み焼きは「球場」になり、うどんは真っ赤、カープ坊やが和菓子に――。メニュー開発に工夫を凝らした人たちも、悲願の日本一に向け、「食」を通じた応援に一層熱が入る。 お好み焼きの上。青々とした芝生は青のり、ダイヤモンドや打席の白線はマヨネーズ。赤いヘルメットを模したプチトマトが彩りをそえる――。その名も「球場焼き」(税込み770円)だ。 考案したのは、広島市西区の「セカンドハウス」店主、高田真一さん(51)。2006年に脱サラし、長年の夢だった店を構えた。 自称「生まれながらのカープファン」。店内には、選手のサイン色紙やポスターなどが所狭しと並ぶ。中には「旧広島市民球場の砂」も。球場を借りて草野球をした時にもらって帰った。小さい頃から足しげく通い、息子2人が広島の試合で始球式をしたこともあったという。 カープの本拠がマツダスタジアムに移る前の07年。さみしさを感じ、「何か形に出来ないか」との思いが募った。ふと、作ったお好み焼きに目をやると、球場に見え、思いついた。今や、球場焼きは多い日で20枚以上売れる人気メニューになった。 店名には「第二の我が家」という意味を込める。「実家に帰ったようなつもりで、カープの試合を見ながら味わってもらえたらうれしい」 JR広島駅構内にある立ち食いそば・うどん店の「驛麺(えきめん)家」では、真っ赤な麺の「がんばれカープ赤うどん」(410円)を味わえる。 麺には、赤い糀(こうじ)を練り込んだ。マツダスタジアムの完成を機に、新球場を盛り上げ、カープを応援しようとメニューを開発。うどんに浮かぶかまぼこは、チームロゴの「C」の文字入りだ。大盛りのネギは、青々とした球場の芝生をイメージしたという。 驛麺家を展開する「広島駅弁当」では日本一になった際のキャンペーンを企画中。担当者は「去年はクライマックスシリーズで敗退して残念だった。その分、今年こそ日本一になってほしい」と期待を寄せる。 かわいらしい「カープ坊や」の生菓子を製造・販売するのは、広島市中区の和菓子店「天光堂」。一つひとつ、社長の田川有洋さん(50)が手作りしている。 12年、マツダスタジアムであったお菓子のイベントで、カープ坊やをかたどった和菓子を記念に作ったところ、多くのファンに喜ばれた。そこで球団の許可を得て、14年からはさらに精巧に再現した生菓子の「練り切り」を店頭にも並べた。現在は1個432円で販売。球団初のセ・リーグ3連覇を成し遂げた今年9月下旬からは、球場でのユーモラスなパフォーマンスが人気のマスコット「スラィリー」も仲間入りした。 田川さんも、もちろんカープファン。1986年、西武に敗れた日本シリーズも旧広島市民球場で目の当たりにし、悔しい思いをした。今年こそ、雪辱を――。そう願っている。(高橋俊成、松崎敏朗)