いま、福岡市中央区の六本松かいわいが熱い。かつての九州大六本松キャンパス跡地には大型複合施設や裁判所、マンションが立ち並び、街の様相は一変。市内有数の人気エリアに名乗りを上げる勢いだ。 昔ながらの焼き鳥屋や弁当屋、スーパーが並ぶ通りを抜ける。急に目の前がひらけ、真新しい6階建ての建物が目に飛び込んでくる。 昨年9月、九大六本松キャンパス跡地にオープンした「六本松421(よんにいち)」だ。所在する番地を名前にした大型複合施設で、1階は高級スーパーや飲食店、2階には蔦屋書店やスターバックスなどが入る。 3階から上は福岡市科学館で、年50万人を見込んでいた来館者数は150万人を突破。蔦屋書店は1日約1万人が利用するといい、九州TSUTAYA取締役の南原尚幸(ひさゆき)さん(44)は「想定の1・5~2倍。街の勢いを感じます」。 すぐ西側には、JR九州が351戸の分譲マンションを建設した。販売開始から3カ月で完売し、人気の部屋は競争率7倍だった。「421」前の路線価の変動率は2016年がプラス8・1%、17年は15・0%、18年が13・0%と上昇が続く。 新しい六本松のもう一つの顔が「司法の街」だ。今年8月、キャンパス跡地にできた裁判所の新庁舎が業務を始めた。地上12階、地下2階建てで、総工費は191億円。横幅は100メートル、高さは60メートル。地裁や高裁、家裁が入る。 裁判所正門に向かって左側では福岡地検などの庁舎、右側では福岡県弁護士会館の建設が進む。2019年には法曹三者がそろって業務を始める予定だ。 裁判所の移転に伴い、六本松周辺に移る弁護士事務所も。「福岡パシフィック法律事務所」は6月、赤坂地区から六本松に引っ越した。「六本松はこれから街ができようとしている。活気がある」と事務所代表の米田宝広(たかひろ)弁護士(46)は話す。 都心部の天神地区から西へ約2・5キロに位置する六本松は、旧制福岡高校、六本松キャンパスがあり、長く学生の街として栄えた。09年、キャンパスが街を去ると、約6・5ヘクタールの跡地を中心とした再開発が始まった。 「青陵の街」と名づけられ、全…