仮面姿の異形の神が、誰彼かまわず臭い泥を塗りたくる厄払いの伝統行事が、沖縄県宮古島市で続けられている。今秋、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産への登録が期待される「宮古島のパーントゥ」。だが近年、軽い気持ちで訪れた見物客が「服を汚された」などと訴えるトラブルも起きているという。現代社会と伝統行事の関係について考察している民俗学者、畑中章宏さん(55)と現場を訪ねた。 今月8日、宮古島北部にある島尻地区。日が陰り始めた海辺の野原で、見物客ら百数十人が、パーントゥと呼ばれる仮面姿の神が現れるのを待ち構えていた。 「あれっぽくない?!」 「えっ、出て来た?」 野原を横切る一本道のかなた、…