東日本大震災の津波で被災した宮城県名取市閖上(ゆりあげ)地区の、かさ上げされてできた新しいまちに、秋のお祭りが8年ぶりに戻ってきた。5基のお神輿(みこし)が21日、造成地に建ち始めた戸建ての家や集合住宅の間を縫って練り歩いた。 閖上湊(みなと)神社は津波で社殿を流され、別の場所に仮のお社を移して祭りを開いてきたが、今年、新しいまちで再建に着手。境内はまだ鳥居と神輿殿が立つだけだが、この日は食べ物の屋台も出て、大勢の人たちでにぎわった。 子ども神輿の輪の中にいた橋浦涼太さん(12)は去年、災害公営住宅に越してきた。「津波で亡くなったおじいちゃん、おばあちゃんを思いながら担ぎました」。12月に自宅が完成する荒川裕一さん(55)は、「これからが始まり。活力ある街にしたい」と話した。新しい閖上には2千人余りが住む予定で、来年5月にまちびらきがある。(石橋英昭